9月のとある日、龍のスケジュール調整をしている担当者に、「10月25日から11月8日まで出張でいないから現場に出れないのでよろしくね」と言ったのが運のつき?
「長いですね。どちらに?」
「タイ」
「タイー!!! 後で連絡します!」
と、その日の夕方... 連絡がやってきた。
「龍、持って行ってください」
「?????」
以前からスーパーライブでお世話になっているプラスネオの方の知人に、タイで孤児院を慰問している方がいて、「いつか、龍も来てくれたら... いいね」
そんな話があったことを思い出した。
なら、ついでに、と言うことで龍を持っての出張となった。
まずは本来の目的地タイのチェンマイに向かう。
仙台から直行便が出ていないので、アシアナ航空で仙台からソウルの仁川空港に向かい、仁川からバンコク行きの飛行機に乗り換える。
バンコクで一泊し、翌朝26日、ローカル飛行機でチェンマイに到着。
タイでは国王の葬儀の真っ最中で、29日までは喪に服しているとのこと。
26日は、着いてそうそうに打ち合わせやらで気がつけば午後の3時。
お昼も食べてないので、ご飯を食べに行こうと一人で街に出る... が...、
どこの店も閉まっている。
本日、国王を火葬する日で、お店が全部休みとのこと。
しかたないと諦めて帰る途中に、見つけました!
シャッターを閉めた商店街の中にひときわ輝く「セブンイレブン」の文字!
中には見たことあるような、ないような商品がたくさん。
結局、カップヌードルを買って帰ってきた。
翌日27日は、8時半からバンコク銀行で打ち合わせ、そのまま10時45分発のローカル便に乗ってバンコクに向かう。
バンコクでの目的は、28日、29日と破牙神ライザー龍が孤児院を慰問することだ。
バンコクの空港には現地で孤児院を慰問している方が迎えに来てくださっていて、そのまま空港で打ち合わせ。翌日の出発時間や流れを確認しホテルに入る。
いよいよ、当日。
初日は、ムーンニティットラーンサーンデク女子専用の孤児院。
見たことない人間が珍しいのか、門をくぐると早速子ども達が寄ってきて話しかけてくれます。心の中で「おじさんタイ語がわからないのよ」と詫びつつ、表情だけは満面の笑みを作って応えます。
この日のためにスーパーライブの編集をしてくれている森さんが作ってくれたDVDをみんなが見ているうちに隣の部屋で着替え。
そして、DVD終了と共に登場!
中高校生くらいの子ども達の反応は、とにかく興味津々。
小学校低学年以下の子ども達は、日本と同じく熱烈歓迎。
一人の女の子は、ずーっと龍の手を離しません。
みんなと写真を撮ったり握手をしたり、大きいお姉さん達は、小さな子ども達のために、その間なんどもDVDを再生してくれています。
しかも館内放送用のマイクを持ってきて、DVDプレーヤーのスピーカーにあてて音量アップで流しています。小さい子は、DVDの画面と龍をなんども見比べて喜んでいました。
楽しい時間はあっという間に終わり、帰るときには、いつものようにそーと気がつかれないように施設を出て戻ってきました。
翌日は同じくムーンニティットラーンサーンデクの男子専用の孤児院。
同じ名前でも、施設はかなり離れていて、タクシーをチャーターして出発。
龍の出番が終わった後の食事会準備があるため、現地でコーディネイトしてくれている方に代わって、施設で一番年上の19歳の子が着替えの手伝いをしてくれました。
初めて見る龍の衣装に興味津々。
質問攻めですが、ここでもやっぱり言葉が通じない...
それでも、マスクの中を覗いたり、グローブを触ったり喜んでくれていました。
さて、昨日と同じようにDVD終了後に龍、登場。
昨日にましての大歓声。
中学生以上の子ども達は、龍そのものよりも、やはり衣装に興味があるようで、終了後、着替えの部屋に戻る途中、身振り手振りで衣装を触らして欲しい(たぶん)と伝えてきます。着替えの部屋に招き入れ、存分に触らせてあげました。
一人がDVDを持ってきて、何やら訴えています。
「他にもないのか!(たぶん)」と言ってるようでしたので、イモトのWIFIで龍のホームページにアクセスして、スーパーライブのダイジェストを全部見せてあげると、みんな大興奮。なんども再生してくれとせがまれました。
言葉は通じなくても、ヒーローを見る目はどこの子ども達も一緒なのだなと感じた日でした。
全終了後、今回のコーディネートをしてくださった方が、
「タイでは道徳教育が遅れている。ヒーローがそんな役割を担ってくれるとうまくいくかもしれませんね...」と話していたが、まさにそうなんだろうな。
我々が小さいころ、「正義」という言葉はわからなくても、「正義」という概念を教えてくれたのが仮面ライダーだったように。
今、タイではミライガーが放映されているらしい。ぜひ、ミライガーにその役割を果たして欲しいと願っている。