2019年2月19日火曜日

現場を自分の練習の場にするな!

先日の利府町浜まつりに、四国からわざわざ龍のショーを見に来て下さった方がいた。
ほんの数分だが話をさせてもらい、思い出した言葉があった。

「現場を自分の練習の場にするな!」

遠い遠い昔......
セクハラ、パワハラ、アルハラなどなど、あらゆるハラスメントが跋扈していた古き良き(?)時代...

今から39年前、自分が初めてキャラクターショーの世界に足を踏み入れた年、テレビで放映していたのは電子戦隊デンジマン。

その年、サブメインのデンジブルーに初めて抜擢され、ショーに出演した時のこと。
初めてのヒーローに舞い上がり、緊張のせいか、初格(ショーの一番最初の殺陣)で頭が真っ白になり、自分の殺陣が飛んでしまい絡みの方々にとんでもない迷惑をかけてしまった。
それでも2ステージ目のショーは何とか無事に終え、キャラクターを片付けていると、先輩から「おい、ちょっと来い!」と控室に連れ込まれ、散々説教を喰らった。
まぁ、どう考えても殺陣をとばした自分が悪いので神妙にしていた。

最後にお詫びのつもりで一言、
「すみませんでした。来週は頑張ります...」

この一言がパンドラの箱を開けてしまった。
今まで、コンコンと説教をしていた先輩の目の色が変わり、持っていたジュースの缶、しかもスチール缶(その当時はあまりアルミ缶を見かけることが無かったように思う)で、おもいっきり頭を殴られた。ショーの失敗には冷静に説教をしていたのに突然だった。

「ばかやろー! お前には来週も再来週もあるかもしれないが、今日見に来た子供たちには来週はねぇんだぞ!!!(バシッ!) 現場を自分の練習の場にするんじゃねぇ!!!(バシッ!)」

あれ以来、いつも自分の胸に置いていた言葉だった。
確かに、現場の数を踏むことで学ぶことも沢山あるのは事実だ。
しかし、それを前提に現場に臨むのは違う。
あくまで、結果として、現場を踏んでいくことで成長をしていく。

その先輩が言いたかったのは、
「ショーに向かって全力で稽古しろ。現場では、子供たちに、その時の自分が持てる最高のパフォーマンスを見せてやれ!」

きっとそういうことだったのだと思う。


今、自分に問うてみる...     “お前、できてるか?”



四国からわざわざ龍のショーを見に来て下さった方と話して、こんなことを思い出した。
職業としてキャラクターを着ていない今、ともすれば忘れがちだった。
しかし、人前で演じることとしてとても大切なことだった。

四国の名も知らない方だが、心よりお礼を申し上げる。
ありがとうございました。

by BOSS




写真は四国からいらした方が作った破牙神ライザー龍。






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