お気づきでしょうか... そう、林さん(仮名)です。
「林さんは、今回のライブへのご出演は叶ったのでしょうか...?」
このご質問が大半でした。
中には講演依頼のご相談までありましたが... こちらは、本人に確認したら、速攻「断れ」と言われ、私が林に変わり、丁重にお断り申し上げました。
皆様にご心配いただいた林は、昨年のライブへは元気に出演し、幾つかの物語の主軸を担う役の一つを、最後まで演じ切りました。
ブックレットにも掲載されておりますが、林は、2月に胃がんの宣告を受けました。
ただの胃がんではなく、大動脈周囲リンパ節にまで転移しているステージ4の癌、そして5年後生存率7.8%と。
私たちは、ただただ、林を信じ、見つめることしか何もできませんでした。
しかし、2月からの抗がん剤治療が功を奏し、手術では取り除くことが不可能と言われていた、大動脈周囲リンパ節のがん細胞が6月に消え、すぐに7月、開腹手術により病巣である胃を4分の3切除。
手術は成功。5年後再発率40%と飛躍的に生存率が伸びました。
林は、当初、開腹手術後4週間の入院予定を、術後2週間で退院。
そこから、スーパーライブを目指した毎日のリハビリ生活でした......が.....
ライブを1ヶ月前に控えた10月初旬... 癌が大動脈周囲リンパ節に再発。
再入院。でも、林は諦めませんでした。
闘病中でも最高のパフォーマンスができるように、抗がん剤治療のルーティーンを、スーパーライブ時に抗がん剤の一番負担が少ない日にあたるように、微調整をしつつ当日を迎えました。
ともすれば、暗くなる私たち若者たちに。
先輩たちは、「俺たち何十年付き合ってると思う。あの、おっさんはこんなんじゃ死なねぇよ。心配しないでライブの準備を進めろ」
あとは、ライブを見たとおりです。
とても、2月にステージ4の癌を宣告され、7月に開腹手術をした人間とは思えませんでした。
先輩はこうも言ってました。
「林さんは、林っていう生き物だから普通の人とは違うから心配するな。笑」
乱暴ですが、その言葉の裏には、林さんを信じる先輩たちの温もりを感じ、私たちも随分と勇気付けられました。
最後にライブ終了後に林さんと話して印象的だったこと...。
「俺はな、みんなに感謝している。あの時、ライブは心配しないで今年は休んでくださいって言われたら、大げさに聞こえるかもしれんが、生きる希望がなくなったと思う。
それほど俺にとって、癌のステージが “4” と突きつけられた時はショックだった。
でもな、奴ら、開口一番、
“9ヶ月もあるから良かったですね” って、
“今まで7月開催だったライブが、だから今年は11月開催になったんだ!”って。
本当は参議院選挙で会館が借りれなかったのにな。
その時、すごく落ち込んでいたけど、奴等と話してると、
“なんかできんじゃねぇ...” って思えてきてな... “この先どうなろうとも、そこを目指そう”って。
結果、再発はしたけど、いい方向に向いたと思っている。それに、一度勝ってるから、今度も負けねぇよ」
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